紫陽花なアイツ
あたしと真生はこの前みたいに、男子校の目の前では待たなかった。
危ないとうるさく言われた真生は近くのコンビニで待とう、と言った。
「…真生って嫉妬とかしないの?」
あたしは聞いてみた。
真生はあたしと巧が二人で話していても、全然怒らない。
「するけど…夜志乃にはしない。」
…複雑な心境だ。
友達だから、と喜ぶべきなのか。
女の子と見られていない事に腹を立てるべきなのか。
「だって、二人は同じ中学で、私の知らない事だって沢山ある訳で…。
つまり、話したくない事ってあるでしょう?」
真生が顔を上げる。