紫陽花なアイツ

葉介は、何でもないというように立っている。

いつからそこに。

驚きのあまり、声が出なかった。

「てな訳で、俺はここで。」

ガタンと席を立った巧。

な、待って!!

あたしと葉介を二人きりにしないでよ。

待ちなさい巧!!!!

あたしの心の声が巧に届くはずがなく、巧は出口の方に向かう。

残されたあたしの運命はいかに…!?

なんてTVのCMに入る前ではない!

一人ツッコミを入れてると、葉介があたしの腕を掴んだ。

「出る。」





< 139 / 175 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop