紫陽花なアイツ
言った後、すごく後悔した。
なんて…。
なんて、恥ずかしい台詞を吐いてしまったのだろう、あたしは。
はぁ、と溜め息をつく葉介。
見ると額に手を当てていた。
「どうしたの?」
恐る恐る聞いてみると、
「今から押し倒しても良い?」
あたしは、真心を込めて葉介の頭を叩いた。
今度こそ本当に不機嫌な顔の葉介。
「陸上、止めた理由。」
言われて、顔を上げた。
「夜志乃は、これからも絶対に聞かなそうだから話しとく。」