紫陽花なアイツ
むくれて、螺旋階段を降りようとした時、腕を掴まれた。
「何?」
急に掴まれて驚いたあたしは、葉介を見上げた。
それと同時に顎を捕まえられて、唇が重なる。
唇が離れると、葉介の得意そうな顔が見えた。
かぁぁっと紅くなる頬を押さえ、下唇を噛んだ。
「不意打ち禁止!!」
「うるさい。なら、今から押し倒す。」
「予告しないでよ!!」
朝からキャーキャーと近所迷惑なあたし達は、螺旋階段を下りた。
そして、差し出された葉介の手。
あたしは満足げに、手を繋いだ。