紫陽花なアイツ

「…ここ俺の家なんだけど。」

『藤崎』の表札をトントンと叩く。

あら、まぁ…。

隣だから、間違えたのだろうか。

勘違いをして、もっと熱が上がった気がする…。

あたしは座りこんだ。

「具合悪りーのか?」

額に手が当たる。

なんで。

なんでこういう時だけ、優しいわけ?

涙が出そうになる。





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