紫陽花なアイツ

螺旋階段に響くあたしの靴音と葉介の靴音。

大っ嫌い!

そう言ってやりたい。

でも、言えなくて。

なんだか、憎めなくて。

葉介はもうあたしと目も合わせてくれない。

大っ嫌い、の代わりに出てくる言葉。

「…バーカ。」

もう葉介の靴音のしない螺旋階段に、静かに呟いた。




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