紫陽花なアイツ
近くのファミレスに入る事になった。
何を心配してるのか知らないけど、葉介はあたしの腕を掴んでいる。
そして、ある事に気がついた。
「…っと待って!あたしお金ない。」
無理矢理出されたせいで鍵しか持っていない。
一銭もないあたしに、葉介はため息をついて、
「奢ってやる。」
とだけ言った。
この男…こういう言葉で女の子をおとすのか!?
半分引きずられるように入ったファミレスの中には、人が少なかった。
それはそうだ。
あたしだって、さっき朝ご飯を食べたくらいなのだから。