紫陽花なアイツ
久しぶりにあたしに向ける笑顔に不覚にドキッとしてしまう。
あたしは口をキュッと結んで、ちゃんと椅子に座る。
「ねぇ、葉介。」
何も言わないから、勝手に話を進めた。
「彼女はいいの?」
「さっきから、彼女彼女ってなんなんだよ。」
「え?」
窓の外から葉介に目を向ける。
「お前今、俺といるんだろ?
なんで彼女の話が出てくるんだよ。」
苛ついているような、そんな声で。
でも、それってまるで、あたしが葉介の恋人のようじゃない?
おかしいよ。
でも、葉介があたしを真っ直ぐ見てくれてるから…
「これからどこ行くの?」