紫陽花なアイツ
「こんな格好で来なきゃよかった。」
あたしは口を尖らす。
紫陽花と呼ばれる葉介は呆れた顔で溜め息をついた。
だって遊園地に行くんなら、可愛い格好でいたいじゃない?
それに、ここも葉介に払ってもらった。
着いたのはもう昼間で、人が結構いた。
「ジェットコースター。」
「は?」
あたしは素っ頓狂な声を上げる。
腕ではなく、手を握られて引きずられるようにジェットコースターに乗りに行った。