紫陽花なアイツ
ソメイヨシノ。
それは、あたしの名前でもあった。
染井夜志乃。
親も変な名前を付けたもんだと思う。
紛らわしい名前。
「夜志乃。おはよ。」
後ろから、優しい声がした。
「おはよ。真生(マオ)。」
真生は笑顔だった。
向日葵のようだなっていつも思う。
「そういえば、今度みんなで新しく出来たプール行こうって話してるんだけど。行く?」
真生は言う。
プールかぁ…。
「うん、行こっかなぁ。」
「男子もいるよ、夜志乃は彼氏探しで。」
「いいよ、気遣わなくても。人数合わせでしょう?」