紫陽花なアイツ

朝起きると、手のつけていない勉強机が見えた。

あたしは制服を着て、カバンを持つ。

朝ご飯を食べた。

玄関から外に出ようとしてドアノブにかけた手が止まった。

葉介がこの前、爽介には会うなって言った意味がわかる。

やっぱり優しかった葉介は、あたしが爽介とその彼女を見てショックを受けると思ったんだろう。

ドアノブを握る手が動かなかった。

もしも…今開けて、爽介と鉢合わせになってしまったら?

あたしはどんな顔をして爽介と話せばいいんだろう?

今日は、学校、休んじゃおうかな。

真生に風邪ひいた、とか嘘ついて。

ドアノブから手を離そうとした。





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