紫陽花なアイツ

ぼーっといていたあたしに、真生が目の前で手を振る。

「夜志乃ー?」

我に返って、

「大丈夫、なんでもないよ。」

そう言った。

「…なんかあったら、相談してね。
愚痴でも弱音でも何でも聞くんだからね?」

優しい真生。

だからこそ、あまり心配させたくないと思ってしまう。

もう少しだけ、待って。

あたしの中で色々と整理が出来たら言うから。

「ありがと。」

笑いかけた。





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