紫陽花なアイツ

男子校の前に立つ。

真生がする質問にも、あたしは生返事しか出来なかった。

葉介にあったら、何話せばいいんだろう?

あぁ、そう、質問するんだった。

『なんで、あたしと爽介を会わせないようにしたの?』って。

正直、あたしの頭では理解できなくて、予想というものも出来なかった。

「あれ、二人共来てたのか?」

巧の声が聞こえた。

隣に立つ真生は、顔を輝かせて笑う。

「お帰り!!」

「おー、ただいま。」

ベタベタするバカップルを横目に、葉介の姿を探した。






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