紫陽花なアイツ
なんていう勝手だ!!
あたしは言おうと口を開きかけたところ、葉介のお母さんが、テーブルの上に鍋とガスコンロをおいた。
いつも、あたしが来る時は藤崎家の夕飯は鍋料理になる。
「今日の夕飯はすき焼きです!」
すごい発表をするように葉介のお母さんは言う。
それほどすごい訳でもないけど、あたしはパチパチと拍手をしていた。
「…なのだけど。」
さっきとは裏腹に、葉介のお母さんは暗い声。
呆れていた葉介も何かとお母さんを見る。
「卵がないから、買ってきて下さいな。」
…なんなんだ、一体。