苺のアップリケ
晴れた日は手をつなぐ
4月の憂鬱
雲一つない快晴。
ひよりを待つ僕は長沢家の門の前でぼんやりと空を眺める。
長沢家の門はブロックを積み上げたおじさん自慢の塀につながっている。
長年この高い塀がおじさんの密かな自慢だったのに、最近の空き巣事情で『防犯に向かない塀』という汚名を被ることになった可哀想な塀だ。
「こよちゃん、もう少しかかりそうだから、中入って。」
玄関のドアが開きおばさんが顔を出した。
このドアはおばさんのチョイスだ。
チョコレート色にこだわったというけど、全く普通のドア。
と思ってることは内緒。
「おばさん。そろそろ間に合わなくなるから、ひよにあと5分で先行くって脅して。」
ひよりを待つ僕は長沢家の門の前でぼんやりと空を眺める。
長沢家の門はブロックを積み上げたおじさん自慢の塀につながっている。
長年この高い塀がおじさんの密かな自慢だったのに、最近の空き巣事情で『防犯に向かない塀』という汚名を被ることになった可哀想な塀だ。
「こよちゃん、もう少しかかりそうだから、中入って。」
玄関のドアが開きおばさんが顔を出した。
このドアはおばさんのチョイスだ。
チョコレート色にこだわったというけど、全く普通のドア。
と思ってることは内緒。
「おばさん。そろそろ間に合わなくなるから、ひよにあと5分で先行くって脅して。」