苺のアップリケ
体に伝わる柔らかな感触と甘い香りに僕の理性は飛ぶ寸前だ。

少し目線を下げると、まだ涙がにじむ睫毛や、ぷくぷくした頬、グロスのせいか艶々した唇がみえた。

挙げ句の果てに朝のひよりの胸の映像まで浮かんでくる。

僕は神様にお礼を言うべきなのか、文句を言うべきなのか、非常に悩む。

それでもここはガッチリ理性を優先すべきなのはわかるから、ひよにまわした手でとんとんと背中を叩いた。

「ふぇっ、ふぇっ。」

普段気の強いひよがこんな風に泣くなんて。
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