苺のアップリケ
『ナニカ』があったのはわかるのに、それが『ナニカ』はわからないのがもどかしかった。

そのまま抱きしめているうちに、ひよりの肩の震えが止まった。

誰かの体温を感じるのは本当に心地よい。

これは僕がスケベだからじゃなくて、もっと別のところからくる感覚だと思う。

だから、僕は手離したくなかった。

………。

いえ、嘘です。

やっぱり、スケベだからかも。

単純にひよりから離れたくなかった。

「…こよ、もう大丈夫だから。」
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