苺のアップリケ
「…大丈夫だから。…ありがと。」

そんな風に言われると、スケベ心を出した自分が恥ずかしくて唇を噛んだ。

「ね? あれ、残ってるかな?」

ひよりの言葉に顔を上げると、強がりな笑顔が見えた。

今すぐにでも抱きしめたい衝動を、無理に押さえ込む。

「何が?」

聞き返す声は掠れてて恥ずかしいのに、ひよりは気づいて無いようだった。

小屋の中でこちらを見ていたウサギが、不意に目をそらして鼻をひくひく動かした。
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