苺のアップリケ
偽りの恋心
新学期が最悪の形で始まったというのに、僕の…オレの生活は変わらなかった。
変わったのは、何だ?
ひよりの態度?
オレの態度?
オレは…、ひよりに合わせて物分かりのいい自分を演じるのをやめた。
「なぁなぁ、結菜の胸って良くね?」
「……、まぁまぁだろ。」
「かぁっ、何か感じ悪いね。暦くんっ。」
開け放った窓の窓枠に腰掛け、はしゃぎ気味にのけ反る胸を押してみた。
「ばっ、ばかっ、あっぶねっ。」
「おお、ナイス反射神経。」
「や、こよみくん、それ、棒読みだから。」
「笹鳴、お前もな。」