苺のアップリケ

こんなバカな会話をしていると、何も変わってないんじゃないかって気がしてくる。

あの日のことは全部夢で、オレとひよりは始業式に出てた。

それが正解のように思えてくる。

「こよみくんっ。」

…でも、それは願望で、現実はこっち。

それを思い知らせる存在が教室の入口から手を振った。

「あぁ、今日も幸せそうな顔して手振ってんなぁ。」

笹鳴の呟きがオレを責める。

「ほら、こよみくん、行っておいで。」

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