苺のアップリケ
三人で入ったケーキ屋は、女子高生でいっぱいだった。
店に漂うケーキの甘い香りと女子高生特有の若いオンナの匂いで、頭がクラクラした。
笹鳴を連れてきたら大喜びしそうだ。
甲高い笑い声と賑やかな話し声を聞きながら、オレは楽しそうに笑い合うひよりと美奈津について歩いた。
案内された空席は店の隅だったのに、座った瞬間からチラチラと降ってくる視線に居心地が悪くなる。
やっぱりアレかな?
女だけの店に入ってくんなって感じ?
空気読めっ的な視線?
気づかぬフリで視線をやり過ごし、入れない会話をぼんやりと聞き流した。
オレ、何でここにいんだろ。