苺のアップリケ

スイッチ


「オレってサイテー?」

「あぁ、間違いなくサイテーっしょ?!」

聞く相手を間違えたらしいオレに、笹鳴は容赦がない。

「で? 今さらな質問、どうしたのよ?」

微妙なバランスをとって椅子の背に座り、使いもしないシャーペンを指で回す笹鳴はムカつくぐらい余裕の態度だ。

他人事だから当たり前なんだけど。

相談する相手も、愚痴を言う相手もコイツしかいないから、オレは動きたがらない口をなんとか動かした。

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