苺のアップリケ
「バーカ。」
「あ?」
「罪悪感押し付けようとしてんじゃねーよ。」
しっかり合った目は、感情を消していた。
「違うって。」
図星のオレに他の言葉なんてない。
真っ直ぐな目から逃れるように俯いた先には汚れた床が見えた。
どうやったら今の状況から逃れられるのか。
どうやったらひよりを自分のモノにできるのか。
そんなことしか考えてないオレは、自己中としか言いようがない。
うろたえたオレから視線を外した笹鳴は、微かに笑うとガタンと音を立てて立ちあがった。