苺のアップリケ
さっきのアレを意識してか、ひよりはいつもより大人しく言って僕の手首をつかんだ。

「………あぁ。行こう。」

応える僕が静かなのは、もちろんおばさんのせいだ。

「いってらっしゃい。仲良くね。」

片手をあげ、明るい穏やかな笑顔で見送るおばさんは、どうみても暢気だ。

小悪魔ってこんな人?

庭に咲く花をバックに手を振る姿に軽く目眩を覚えた。
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