レンズ越しの君へ
次の瞬間、廉の顔色が変わった事に気付いて、すごく後悔した。


怒られるっ……!


「綾が、Shikiって人のファンなんだけどねっ……!もし、その人も来るなら会いたいし……」


廉は何も言わずに、必死に言い訳をするあたしを見ている。


「だから、出来たら綾と行きたいなって……。で、でも、一般の人は入れないのかな……?」


言い終わると、廉がメモに何かを書き始めた。


「ん」


「何……?」


受け取ったメモには、住所が書いてある。


「明日の写真展の場所。チケットもやるよ」


「イイの……?」


「あぁ」


廉は驚くあたしにチケットを渡して、また書類に視線を落とした。


「ありがとう……」


やっぱり、依存しているのかもしれない。


だけど…


あたしの心には小さな光が射し込んで、少しだけ笑顔が戻った。


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