レンズ越しの君へ
廉が危険な男だとわかっていながら、彼に少しずつ惹かれている自分(アタシ)がいる。


危険だからこそ、廉に惹かれてしまうのかもしれない。


だけど、深入りしちゃいけない。


あたしは、心の中で必死に葛藤していた。


廉が少しだけ恐い。


それでも、あたしは彼の事をもっと知りたい。


あたしが躊躇しているのを見兼ねたのか、廉があたしの頬にそっと触れた。


その瞬間、周りの空気が張り詰めた。


頭の中で、危険信号が鳴り出す。


廉には深く関わっちゃダメッ……!


だけど、同時に気付いた事…。


この男には抗えない……


あたしの体と心が、絡み付くような廉の視線に支配されていく。


それから程なくして、やっとの事で自分の頬にある彼の手を退けた。


「ここじゃあ……他のお客様もいるから……」


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