レンズ越しの君へ
あたしは、寂しがり屋なんだ…。


ずっと両親と不仲だったから、高校卒業と同時に家を出た。


だけど…


18歳の小娘が、いきなり一人で生きていくなんて無理な話…。


貯金もほとんど無かったから、小さなアパートを借りてすぐに毎日バイトを探したけど、何日経っても見付からなくて…


結局、時給の良さと日払いがあると言う理由だけで、キャバを始めた。


最初は別世界の雰囲気や飲み慣れないお酒に苦戦して、大変だったけど…


すぐに田島さんが指名してくれるようになり、彼のお陰で少しずつ仕事にも慣れていった。


抵抗があったキャバも、やってみたら意外と楽しくて…


綺麗なドレスやプロにメイクして貰える事も、魅力的だった。


それにここには、あたしを必要としてくれる人がたくさんいる。


そう思うと、寂しさは消えていった。


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