レンズ越しの君へ
「嘘」


意味深な笑みを浮かべた廉の言葉に、あたしはプイッと顔を背けた。


「すぐからかうんだから……」


「半分マジだけどな」


「えっ!?」


廉の言葉は、何が本当で何が嘘なのかわからない。


「マジで何食いたいの?フランス料理とか?」


あたしは抱いた戸惑いを振り払って、首を横に振った。


「フランス料理は嫌……」


「嫌いなのか?」


「ううん、料理は好きだよ。でも、堅苦しい感じが苦手なの……。それにこんな服装だし……」


苦笑しながら言って、自分の服を見た。


「お前、やっぱりキャバに向いてねぇよ」


「え……?」


小首を傾げたあたしを余所に、廉は少し先に見えたファミレスに車を入れた。


「ここでイイか?」


あたしは小さく頷いて、彼と一緒に店の中に入った。


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