レンズ越しの君へ
ママに出された紅茶を飲みながら、あたし達は結婚式の事を話した。


「これで、やっと澪ちゃんが本当の娘になるのね!すっごく嬉しい!あぁ〜、待ち遠しいわぁ」


そう言ってくれたママに、あたしは笑顔を向けた。


「あたしも嬉しいです」


「何なら一緒に住むか?」


「はぁっ!?絶対住まねぇからな!」


ハパが弾んだ声で訊くと、廉は強く否定した。


「父さんだって、澪ちゃんと一緒に住みたいんだぞ!」


「あのなぁ……」


そんなやり取りをする廉とパパを見て、あたしとママは声を上げて笑った。


あたしの実家では、こんな会話はしない。


すごく楽しくて明るいこの家の雰囲気は、あたしにとって居心地のいい空間だった。


< 369 / 404 >

この作品をシェア

pagetop