レンズ越しの君へ
「出掛けるか?」


「えっ?」


突然の廉からの言葉に、あたしは目を見開いて驚いた。


ずっと休めなくて、疲れてるハズなのに……


廉の体が心配で戸惑っていると、彼はタバコの火を消した。


「イイから支度しろ」


「でも……」


「じゃあ、留守番するか?」


「ううんっ!!行くっ!!」


慌てて言いながら、必死に首を横に振る。


「じゃあ、支度して来い」


「うんっ!!」


笑顔で頷いて、急いで支度を済ませた。


それから、廉と一緒に駐車場に行って車に乗った。


「どこ行くの?」


あたしが尋ねると、彼は意味深に微笑んで車を出した。


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