レンズ越しの君へ
廉はあたしから体を離すと、意地悪な笑みを見せた。


「俺の事、好き……?」


今にも飛び出しそうな心臓の音が、頭の中でずっと響いている。


「答えろよ……」


たった二文字…。


だけど、中々言えない。


「言わないと、キスしてやらねぇよ?」


廉は、意地悪だ。


あたしが困っているのを見て、楽しんでいる。


この男はきっと危ない。


酔っていても、それをちゃんとわかっている。


でも……


悔しいけど……


「好き……」


あたしが小さな声で言うと、廉はクスッと笑った。


体が熱い。


きっとこれは、お酒のせいだけじゃない。


廉に見つめられているだけなのに、体が溶けてしまいそうになる。


あたしは、とうとう彼に落ちてしまったんだ…。


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