the metallic fragments

ストリート・コア_2

 その後もカズのクソ野郎は

「社長、しずかちゃんが便器でふんばってましたよ」

 などと笑いながら言いやがり、

「社長、しずかちゃんが道路わきでうんこしてました!」

「社長!しずかちゃんがティッシュにくるまれて、イカの臭いを放っていま

す!」

 等々下らないことを連発するようになり、その度にその光景を思わず想像して

笑ってしまう。笑ってしまったらこっちの負けだ。

 そんなことはどうでもいい。

 池袋の路地を散々歩き回って、一件SMの店舗を発見した。

 さっそく、飛び込み営業をかけてみた。

「店長は俺だけどさあ、雇われで広告とか良くわかんねえし、先輩に相談しない

となあ・・・」

 と軽く営業トークを終えたところで、若い店長が困った顔を受かべた。

「失礼ですけど、お客さんは入ってます?」

「まあ、ぼちぼち」

「広告も出してないのに?」

「・・・・まあ、友達関係だよな・・・・」

 素直な店長である。出世は出来ないだろう。

「うちはフリーペーパーなんですよ。街頭でバイトがターゲットを絞って配った

りしてますから反響がいいって評判なんです」

「月五万円が高いのか安いのか分からないんだよ。知らねえから。広告のこと」

「関東全域が載ってる有料の、、、コンビニなんかで売ってるやつは三〇~一五

万円位ですよ。宣伝効果は分かりませんけどね。あとはウチホームページ制作も

やってますから。そちらも格安でお受けできますよ」

「ああ~、インターネットか。。。そっちもなあ、っていうか携帯しかわかんねえしな。。」

「むろん、携帯ページもやってます」

「そっか、考えてから電話するよ」

「はい」

「あんたSM興味ないの?」

「え?」
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