同じ空の下で
『正直、今の柚奈はすごく情緒不安定だし、とても立ち直っているようには見えない。』
「うん。」
『それに、今の学校にいる事でもっと先生の事思い出して、もっと不安定になっていってるように見えるよ。だから正直、柚奈のお兄さんが言った事には賛成もするし、反対もする。
まぁ、反対っていうのは、もちろん柚奈と離れたくないからなんだけど。』
「……うん。」
『柚奈、良い?
私が最初にヤだって言ったのは、まず一番に柚奈と離れたくないって思ったからだよ。大好きだから。』
「…美貴。」
『でも、大好きだからこそ、柚奈が立ち直るためにも転校する事には賛成だよ。しかも、さっきの柚奈の様子を聞いて一層思った。』
「うん。」
『もっと厳しい事を言うと、今の柚奈は本当の柚奈じゃないと思う。』
本当の私――。
『本当の柚奈はもっと明るくて笑顔の多い子だよ。
先生はそんな柚奈だからこそ好きになったんだと思う。』
……。
『柚奈、もう一度自分で考えてみたら?
結局、決めるのは柚奈自身なんだから。』
「…うん。
ありがとう、美貴。」
『ううん。何かゴメンね。』
「何で謝るの?
美貴は正直な気持ちを言ってくれただけじゃん。
今は私すごく美貴に感謝してる。
ありがとう。」
『…柚奈。
どういたしましてっ!!
じゃあ、また明日学校でね。 明日来るよね……?』
「当たり前じゃんっ!!
じゃあ、また明日っ!!
バイバイっ!」
『うんっ!じゃあっ!』
―プツッ
ツーツー
本当の私――?
ツーツー――