同じ空の下で
「こちらの部屋です。どうぞ。」
―ガラ
「どうも。………柚奈?」
「……。」
「…柚奈。」
「…お兄ちゃん、お手洗い行ってくる…。」
「……おぅ。」
ゴメンね。
お兄ちゃん。
「?お手洗いなら、案内してあげましょうか?」
「…いえ、大丈夫です。一人で行けます。どこにありますか?」
「この廊下をまっすぐ行って、突き当たりの階段を上がってすぐよ。少し遠いけど、大丈夫?」
「…はい。ありがとうございます。」
「……柚奈。無理すんなよ。」
「…うん。」
吉井先生は私達の会話を聞いてきっと、私がかなりトイレを我慢してた、とでも思っただろうな。
それでも良い。
なんだか一人になりたい気分だから。
ゴメンね。
お兄ちゃん、こんなにも弱い妹で。
ゴメンなさい。
吉井先生、いきなり心配かけて。
弱い私でゴメンなさい。