同じ空の下で
ホームルームが始まる。

先生じゃない先生が教卓に立って進めていく。

あの頃みたいに、先生が私の事をチラッと見てきたり、私と目が合うと小さく笑ってくれたりもない。

先生…。

何でいないの…?

私、寂しいよ……。




「柚奈?」

「っ!?あ、美貴。」

「次、移動教室だよ。どうしたの?ボーっとして。大丈夫?」

「うんっ!大丈夫!ゴメンね。行こっ。遅刻したらヤバイしっ!」

「……うん。」


いつの間にホームルーム終わってたんだろ…。

もっと、しっかりしなきゃ……。


でも、廊下を歩いていると思い出す。

先生との甘い思い出や暖かい思い出、辛い思い出、沢山の事が一気に私の胸に広がっていく。


「…柚奈、今日サボろっか。」

「え?」

美貴からサボりなんて。

私、相当心配かけてるんだ…。

「なんか、カラオケでも行ってさ、スカーっとしない?」

「でも……」

「いいから、いいからっ!はいっ、決定ーーっ!!」
美貴はそう言うと、私の手を取って、さっきとは逆方向に歩いてく。


ありがとう、美貴。


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