同じ空の下で
「へぇ。こんな字なんだぁ。やっぱ、名前カワイイよねっ!」
「……そうかな?」
別に普通だと思うけど…。
「でもこの字、俺と一緒だねっ!」
橘くんはそう言って、『柚奈』の『柚』を指差した。
「俺の名前にもこの字あるよ。ほら。」
私の名前の横に『柚雅』って書いた。
「……ほんとだ。」
「なんか、嬉しいなっ!」
「…?」
「人と同じ字が自分の名前にあるのってなんか嬉しいじゃんっ!!」
「……そうかな?」
「そうだよっ!あっ!じゃあこれからは、『ゆうなちゃん』って呼んで良いっ?」
「……別に良いけど。」
呼び捨て以外なら、なんでも良いのに…。
それに、その呼び方ちっさい時によく周りの子から呼ばれてたな…。
「じゃあ、これからはゆうなちゃんだなっ!」
「……。」
「ゆうなちゃんっ!」
「……。」
「ゆうなちゃんっ!」
「……。」