同じ空の下で
「へぇ、そっかぁ。良かったな、優希ちゃんがいて。」
「うんっ。お兄ちゃんも知らなかったの?」
私は家に帰ってすぐ、お兄ちゃんに報告した。
「うーん。知らなかった訳じゃないけど…」
「知ってたの?」
「……。」
お兄ちゃんは私が作った夕飯のハンバーグを黙ってつついてる。
「お兄ちゃん?」
「いや、別に言わなくていいかなぁって思って。」
「え。そこは言ってよ。」
「あぁ、そうだな。」
何かさっきからお兄ちゃん変…。
「お兄ちゃん。どうしたの?何か、変だよ。」
「………あのさ、柚奈。」
「ん?」
「優希ちゃんに会うのやめたらどうだ?」
「え?」
何で……?
「お前はまだ、学校にも慣れてないし。この町の事も知らないだろ?」
「そうだけど、別に関係ないと思う……。」
「……はぁ、そうだな。ゴメン、明日楽しんでこいよ。」
「…?うん?」
楽しんでこいって言ったわりに、お兄ちゃんは笑ってなかった。