姫取物語
かぐやの弾く琴は皆を魅了する。かぐやの琴を聞いた者がどんどん集まる。

いつの間にか店の前は人集りができて道を塞ぐほどに……。

「……お見事」

帝はボソッと呟く。

「ふぅ……えっ!?」

「人が集まっちまったねぇ、お嬢ちゃん上手いからねぇ」

「いいいいいつの間にぃ?!」

「お嬢ちゃんが弾き初めてからだよ」



「素晴らしい琴でした」

「もっと聞きたいわ」

「もっと弾いてくれないの?」

「え? え? 何? どうすればいいの?!」

かぐやはめちゃくちゃ焦っている。すると一人、かぐやの前に出てきたものが居た。

「私と勝負いたしません?」

「……へ?!」

と、目の前に現れた女の子に、かぐやはなんともまぬけな声を出した。
< 100 / 210 >

この作品をシェア

pagetop