姫取物語
本当に何を言ってるかさっぱりなので、帝にこっそりと確認する。

「ね、帝、この人何語話してる?」

「普通に日本語だけど……」

「……嘘?!」

「紫式部の源氏物語は有名だよ? 貴族の間で大流行してるとか、なんとか」

ちなみに源氏物語よりも竹取物語の方が古かったりする。

「本、読んだ事ないんでしょ?」

「……婚約の申し込みに来る人達の相手してたら本を読む時間なんて無いもん」

「そうだったね」

ぷくっと頬を膨らませるかぐやを帝がくすっと笑う。
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