姫取物語
第拾漆夜
「楽しかった?」

「うん! もうねぇ……めちゃくちゃ楽しかった!」

初めての外から帰ってきたかぐやは少しばかりテンションが高い。爺さんには負けるけど。

「それは良かった」

本当に楽しそうだ。

「早く美麗来ないかなぁー……」

もう美麗に来てほしいのか……。今日会ったばかりだと言うのに……。

「それよりも……」

「んー?」

「約束」

帝の頭がかぐやの肩に乗せられる。

「……今じゃないとダメ?」

「我慢してたから、今が良い」

「うー……」

「俺からしても良いんだよ?」

「それは嫌だっ!」

絶対俺の苦手なやつになるし。
いや……でもいっそ帝からの方が恥ずかしくないかも……?

いや、でも帝は変態だ。
何をするか分からない……。
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