姫取物語
「……どうしたの……?」

繊細な物に話し掛けるように優しく問い掛ける。

「どっか……行っちゃうかと……思った」

「大丈夫だよ? 机に行こうとしただけだから」

「机に……?」

「うん。お仕事がたまってるから……ね?」

「そ……そう……」

「寂しいんだったら傍にいるよ?」

「大丈夫だもん……」

「そう?」

かぐやの頭を優しく撫でてから机に向かう。
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