姫取物語
「では、かぐやと美麗さんが遊んでる間、智隼さんは俺と手合わせしましょう?」

「遊んでで……」

舞を教えるためなのだから遊びではないのではないか……?

「何か?」

「いえ……何でもないです」

「庭に出ましょうか」

「え? でも……」

美麗様が……。

「大丈夫です。かぐや達が外も出れば美麗さんを見ておけるでしょう?」

「しかし……」

「はい?」

「病み上がりの雅さんを外に出すのは……」

「……あ」

帝、忘れてやがった。

「大丈夫だよー。俺もう全然平気だし! 外の方が良いよね? 美麗?」

「でも、雅さんのお熱が……」

「大丈夫なのー!!」

病み上がりでこんなにうるさいのはかぐやだけじゃないのか……?
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