姫取物語
「じゃぁ、指切りしよ! また舞を教えてくれる約束!!」

「本当?」

ほら! と差し出された小指を見て美麗の顔が明るくなる。

「うん! 本当!!」

「ありがとうございます」



「申し訳ありません……我儘なお嬢様で」

「いいえ? かぐやが楽しそうなので責めたりしませんよ」

「お優しいのですね」

「智隼さんのほうが優しいと思いますが?」

「そうですか?」

「えぇ、見てて面白いです」

そのままクスリと微笑する帝。

「面白い……?」

何が面白いのだろう……?

「自分で気付かれたほうが良いですよ」

何だろう……?
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