姫取物語
「散歩は今日じゃなきゃ駄目?」

「今日が良い! 知らない人の相手はもう嫌だ!」

「どうせ今日でも明日でも外には連れていけないんだよ?」

「うそつきぃ」

「……」

かぐやにそんな顔されるとこっちも泣きたくなってくる……。

「お散歩ぉー」

「……明日! 明日、庭を散歩しよ?! ね?」

「本当にぃ……?」

「本当」

「うー……」

そのまま考え込むかぐや。どうかな……庭だけじゃ駄目かな? やっぱり外に連れていかなきゃかな……?

「本当に明日お散歩してくれるの?」

「うん。家の庭をね」

「外じゃなくて……?」

「うん。かぐやが体調を崩したら大変でしょ?」

「……」

黙ってしまうかぐや。
でも暖かくなるまで外には連れて行けない。
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