姫取物語
「石作りの……皇子殿…?」
かぐやが皇子の近くに寄って問い掛ける。
「何でしょう?」
「これが仏の御石の鉢……ですか?」
かぐやが他の人と話す事が無いと聞いていた皇子はかぐやの問い掛けに焦っている。
「え、えぇ……」
「袋の中を見ても……?」
「構いませんよ」
「ありがとうございます……」
袋を開けて中を見ると真っ黒な鉢と鉢の中に手紙が入っている。
その手紙を開けると、
海山の道に心をつくしてはて
ないしのはちの涙ながれき
訳
石の鉢を求めるために、筑紫を出発してから天竺までの海路山路に、精魂をつくしはて、果てない旅をつづけ、ほんとうに泣きの涙、血の涙まで流れたことでしたよ。
と書いてある。
かぐやが皇子の近くに寄って問い掛ける。
「何でしょう?」
「これが仏の御石の鉢……ですか?」
かぐやが他の人と話す事が無いと聞いていた皇子はかぐやの問い掛けに焦っている。
「え、えぇ……」
「袋の中を見ても……?」
「構いませんよ」
「ありがとうございます……」
袋を開けて中を見ると真っ黒な鉢と鉢の中に手紙が入っている。
その手紙を開けると、
海山の道に心をつくしてはて
ないしのはちの涙ながれき
訳
石の鉢を求めるために、筑紫を出発してから天竺までの海路山路に、精魂をつくしはて、果てない旅をつづけ、ほんとうに泣きの涙、血の涙まで流れたことでしたよ。
と書いてある。