姫取物語
「まだ……私の言いたいことが分かりませんの……?」
「……っ!」
返歌もせず、今にも涙を浮かべそうなほど悲しそうな顔をして俯くかぐやを見て皇子は顔を一気に赤くした。
そして皇子は弁解、口実を口にしながら帰ってしまった。
あの偽の鉢を捨ててからも、まだ、あつかましくも、「頼まるるかな」などと言ったことがもとになって、あつかましいことを、「はぢをすてる」というのである。
「……っ!」
返歌もせず、今にも涙を浮かべそうなほど悲しそうな顔をして俯くかぐやを見て皇子は顔を一気に赤くした。
そして皇子は弁解、口実を口にしながら帰ってしまった。
あの偽の鉢を捨ててからも、まだ、あつかましくも、「頼まるるかな」などと言ったことがもとになって、あつかましいことを、「はぢをすてる」というのである。