姫取物語
「あとね、本当に女の子みたいだったよ」

話し方とか、仕草とか。

「ぅ"……」

あまり嬉しくなかったかな?

「美麗さんの真似してみたの?」

「ん」

「頑張った頑張った」

「これで、明日お散歩行けるよね?!」

俺の腕の中からかぐやの心地好い重みと温かさが消える。

「うん。行けるよ」

「やったぁ!!」

そんなに楽しみだったのか……。

「庭の中だけなのに、そんなに嬉しいの?」

「うん! だって庭、全部見たことないし、それに明日は知らない人の相手をしなくて良いんだもん」

本当に可愛いんだから……。
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