姫取物語
「ほらほら……かぐや、こんなに冷えてる……」

「ひ……っ」

かぐやの身体を抱き締め、袿の中に右手を滑らせる。

「温めないと……風邪、ひいちゃうでしょ……?」

かぐやの耳元で囁いて……、

「ん……っ」

「早く入っておいで……?」

触れるか触れないかのギリギリを触れる。

「や……ぁっ」

「拒まないの……?」

右手はそのままに左手でかぐやの顎を持って、唇を近付ける。あと数ミリ……。

「……っ!」

「……嘘だよ。約束したもんね」

クスッと笑ってかぐやを離す。

「み……かど……?!」

これだけのことで息があがるなんて……。

「なーんもしてないでしょー? 早く入っておいで?」

「……ん」
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