姫取物語
「かぐや………」

「んー?」

「字、汚なすぎ!」

「えー? 綺麗じゃん」

「良いよ俺が書く」

「えー?」

帝って字キレイなんだよなぁ……俺の字ってなんか引っ繰り返ってるし……?

あ、ちなみに今、帝と一緒に手紙を書いてる。あの五人の貴族どもにな。
どうやらうち二人は帝の親戚だったらしく……。
本当うざい。早くおっぱらいたいわー。

「そういえば帝、俺の字読めてたじゃん」

あの筆談してた時ね。懐かしいわー。

「愛ってやつ?」

「……気持ち悪い」

「うっさい……ってかぐや何やってんだーっ!?」

「いや……珍しい物が……」

「そんな物が珍しいの……?」

「うん! 何これ」

「えー? 弓」

「由美? これって人なの?!」

ずいぶん細いな……そもそもこの人は話せるのか……?
いや……その前にこの人、全然動かない。

「かぐや……」
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