姫取物語
縁側に座り、婆さんに髪を梳かしてもらいながらも喚くかぐや姫は男の子。竹の中から出てきた時から男の子。


「俺もさ、普通は爺さんの手伝いをしなきゃならないわけじゃん?」

「そうかねぇ……?」

「だって俺、男だよ?!」

女じゃないし。
たしかに髪は長いが女じゃない!

「ほらかぐや。動かないで。髪を梳けないじゃないか」

「むぅ……」

「別に爺さんの手伝いをしなくても良いんじゃないかい?」

「だってー! 婆さんの手伝いもできないしぃ……」

婆さんの手伝いをしようと台所に降りようものなら女人に、

「姫はお休み下さい」

そう言われてしまう……。

「そうかねぇ……?」

「俺だって何かしら役にたちたいの! こんな部屋に籠もってただ求婚されるだけなんてもー嫌だっ!」

「ほら、女の子がそんな口きかないの」

「へ……?」
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